追悼 TAIJI〜そして4年目の夏が来た 第2部
(こちらの記事は、私が少しお手伝いさせていただいている、沢田泰司さんの署名活動に関するブログに掲載したものを転載したものです。今後の将来、署名活動が終了した後にも、広く多くの方に事件のことやイベントのことを知って頂きたく、元のブログの筆者個人のブログにも転載しました。ご了承ください。)
2015年7月6日(月)
神楽坂 The Gleeにて、トークイベント 「追悼 TAIJI~そして4年目の夏が来た」が
開催されました。
前回の続き、第2部の様子です。
もしかするとこの第2部、特に後半には、「これがTAIJIさんの件と何の関係があるの?」と
感じるような方も多いかもしれません。
これは私が会場の客席側で感じたことに過ぎませんが…。
TAIJIさんの事件は、普段の生活の感覚、私たちが普段、無意識に採用しているような思考回路のままで考えると、気づけないことが山ほど隠されている。
サイパンでしたり、署名活動の提出先の外務大臣などの日本政府、そして警察など。
そういった機関のあり方だけではなく、「社会」を構成する私たち個人のあり方そのものにも、問題があるのではないか。
恐らくこの背景があるため、このような不可解な事件でも、署名活動で「おかしさ」を呼び掛けても、なかなか理解をしてもらえないのかもしれない。
TAIJIさんの事件は実はそれが見えやすく、事件を通じてその問題提起の場とするため、渡邉さんは中村さんと秋山さんにお声掛け下さったのではないか。
そんな印象がありました。
第1部が終了し、会場内は20分ほどの休憩時間に。
その休憩時間に、場内ではTAIJIさんのプライベート映像が流れました。
演奏されていたのは、LED ZEPPELINの「天国への階段」。
TAIJIさんらしい、とても優しくも力強く、温かいアコースティックギターの音色でした。
そして、友美さんと一緒に出かけた、江戸川 矢切りの渡しでの船からの映像が。
景色が中心の映像ですが、とても楽しそうに、穏やかに、友美さんに対して風景を説明したり、「水がキレイだねー!最高だなぁ」と景色を満喫されている穏やかで楽しそうなTAIJIさんの声がとても印象的でした。
この映像を選んだ理由は、TAIJIさんが江戸川の矢切りの渡しがとても好きで、子供の頃によく来た場所だったということ、何よりも声が穏やかで楽しそうで、TAIJIさんの魅力が伝わりそうだと感じたからだそうです。
そして、出演者4名のトークイベントが再開されました。
再度、事件についての振り返りをしていきました。
元・週刊文春の記者でもある、ジャーナリストの中村さんが、サイパンでの取材の時に感じたこと。
現地取材は、Face to Faceで対面で行われるものです。
そのため、言葉だけではなく、お互いの気配も取材に影響するとのこと。
どうも、取材対象が自分の姿を見ると逃げて行くような印象があった。
何か都合が悪そうに見られているようにも感じた。
そして、TAIJIさんと飛行機に同乗していた元マネージャーについても疑問を感じたそうです。
なぜ、TAIJIさんの間近にいたのに、取材に一切応じてくれないのだろうか。
さらに、TAIJIさんがサイパンに到着して間もなく逮捕されたことを友美さんに伝えずに、「家族の連絡先を至急教えてくれ」と、TAIJIさんになりすまして連絡をしてきた。
何が起きているのかさっぱり分からない中、話をややこしくしているのが元マネージャーではないか。
そして、渡邉さんから友美さんに質問が。
「なぜ、TAIJIさんはサイパンに行くようになったのか」
マネージメントをお願いするようになり、そのスタジオ、とても大きなスタジオなのですが、それがサイパンにあるため。
仕事でサイパンに行くようになった。
ただ、同乗していた元マネージャーとはいつもケンカが絶えなかったため、うまく行っているようには見えなかった。
8月からは男性のマネージャーに変更する予定だった。
あの事件は、その矢先の出来事だった。
事件後に起きたことについて質問。
「TAIJIさんになりすまして、お金を要求するメールが届いていて、
それについて、警察に届けたと聞いたが、その後進展は?」
全くないです。
あの時、「おかしいな…。怪しい」と思って、お金は振り込まなかったので、実際は被害に遭っていない、「振り込め詐欺未遂」なんですよね。
そのため、警察も被害が出ていないため、なかなか動いてくれない。
あの時に、振り込んでしまえばよかったと今は後悔しています。
そうすれば「詐欺」になって、警察も動いてくれたのかもしれない。
だって、確かにお金については詐欺未遂かもしれませんが、その影で人が一人死んでいるんです。
それでも警察は動いてくれず、伺う度に担当者が変わっていて、また最初から説明しなければならなくて、本当に納得がいきません。
秋山さんがTAIJIさんについて感じたことを。
その前提として、現在の日本の状態についても、話し始めました。
政治の世界と、芸能界(音楽の世界も含め)は、本当に明日が見えない世界です。
多くの政治家や芸能人が、周囲には言えない悩みや迷いを、占い師や霊能者、スピリチュアリストに相談に来ています。
本当に彼らは表向きは違って見せていますが、心の中は不安でいっぱいです。
特に世界的に見ても、日本の政治はとても難しい。
さらに政治も芸能界も、大御所がどんどん高齢化していて、勢力地図が変わっていく過渡期でもあります。
そのため、切りたくても切れないものを、多くの人が抱えています。
そのような世界に入っていける人は、実はスピリチュアルなものを持っている人が多い。
それがないと、乗り切れない世界でもあるためです。
TAIJIさんは、人と比べられない自由を求めた人だったと思う。
彼はそれを、言葉でも数字でもなく、気持ちで表現したかったのだと思う。
とてもアーティスティックな方だったでしょう。
皆にも自由があって欲しい。
自分にも自由があって欲しい。
その自由が厳しく制限されることを嫌ったのだと思う。
ただ、法哲学での「自由」というものは、分かりやすく言えば「占有権」を表すものです。
法哲学では、感情なんて一切汲んでくれません。
TAIJIさんは、人の自由は違っていい。
誰しも、自由は守られるべきだと思っていたのだと思います。
渡邉さんからの質問として、改めて、TAIJIさんがサイパンに行くきっかけになった、プロダクションとの契約や仕事の話を友美さんに伺いました。
震災が起きた時期、2011年3月に契約をしたそうです。
仕事が広がるのは良いことだと思ったので、止める理由がなかった。
設立されたYOUプロダクションの「YOU」は、友美の「友」の読み方だった。
5月くらいからブログの更新内容がおかしくなった。
震災が起きて2ヶ月しか経過していない時期、日本ではまだ自粛ムードも抜け切れていない中だったのもあり、複数の関係者の方々から「大丈夫なの?」と心配もされた。
そして渡邉さんから友美さんに質問。
「TAIJIさんは、サイパンで何がしたかったのかな?
どんな展望があったのだと思いますか?」
先ほどの映像のような、穏やかなギターをよく自宅では弾いていました。
お料理も大好きでした。
そういう穏やかな生活をサイパンで送りたかったのかな…。
X JAPANのライブにも参加はしましたが、「また会える時が楽しみだ」とは言っていました。
それとTAIJIは体調も良くなかった。
具体的にどのような状態だったのかは、
本にも書いてあります。
体の状態だけではなく、心の状態も良いものではなかった。
メンタルにもいい影響があるのかもしれない、と、サイパンに行くことが良いことかもしれない、と思っていました。
TAIJIとの生活は、リハビリ生活のようなものでした。
本当に心身ともに具合が悪かったです。
心療内科にも通っていました。
皆さんが知っているTAIJIは激しい曲を演奏する人なのでしょうけど、私はTAIJIと一緒に過ごした3年より前のTAIJIは知らないんです。
私が知っているTAIJIは先ほどの映像のように、穏やかな曲を弾く、穏やかな人でした。
再び事件について、振り返りました。
TAIJIさんは機内で暴れてしまったことで逮捕されており、機内での事件はFBIの管轄となっていることは、第1部でも説明がありました。
秋山さんは、元静岡県警の方でもあり、スピリチュアリストとして、FBIの捜査協力の経歴もお持ちです。
そのご経験から感じられたこととして。
FBIが絡むと、警察が追っている事件であっても、警察が入れない。
とても追及がしづらい。
私も捜査協力経験があるが、言えない状態になることは多々ある。
さらに事件発生がサイパンであることも含めて、とても難しい案件だと思う。
海外での取材経験も豊富な中村さんからも。
この事件の論点は主に2つ。
●拘置所で何が起きたのか
●なぜ、元マネージャーがなりすましメールを送って来たのか
そして、TAIJIさんの事件は運の悪さが重なりすぎている、レアなケースと言えます。
TAIJIさんの事件は、とても難解でレアなものだという観点から、強い問題意識を感じられているようで、活発な議論が展開されました。
・秋山さん
この事件のように、問題意識を忘れないで生きることが大切。
やり過ごすのではなく、問題意識を持つことで、人は想像力が持てるようになる。
そこから創造性が生まれ、芸術が生まれる。
そして人の気持ちに気づけるような人になれる。
忘れた方がいいと言うものも確かにあるのだが、忘れてしまい風化して、学ばなくなってしまうことよりも、忘れないことが大事であることは、沢山ある。
忘れてしまうことの怖さというものがあるのは、知っておいて欲しい。
事実、東北の震災でも、「津波が来たらこの地域は水没する。この指標よりも高台に逃げろ」というものを信じた人は生き残った。
先人が残したもの、亡くなった人が遺してくれたものは忘れてはいけない。
・渡邉さん
最近、芸能界でも大物俳優たちが逝去されている。
先日僕は、愛川欽也さんが亡くなったことを、ツイッターで第一報で発信したところ、「ご遺族の気持ちを考えろ」というリプライをもらった。
確かにご病気だったり静養中だとしたら、それは知ったとしても発信は控えるべきだ。
しかし、あれだけ日本のテレビで活躍されて、愛川さんにお世話になったという方も多いだろう。
そんな方が亡くなったことを伝えないのは、その方の足跡を消してしまうような行為に感じた。
亡くなった人の足跡は引き継いでいきたい。
「死んでしまったら終わり」ではない。
美空ひばりさんだって、石原裕次郎さんだって、亡くなったら終わりではなく、今でも語り継がれているではないか。
マスコミはいくらでも使えばいい。
それなのに「放っておいてくれ」は、あまりにも悲しい。
・秋山さん
日常生活のルールでもある法律は感情ではないが、実際の日常生活は、すべて感情である。
感情で生きて行くことが、その人の人生力になる。
先ほど、渡邉さんにクレームを入れてきた方がいたと言っていたが、物事に対して「こうだよね!」ではなく、それをしっかり議論できることが良いこと。
「やりとりが出来る」ということは、素晴らしいことなのだと気づいてもらいたい。
いろいろなものが「当たり前」に感じられてしまい、それが習慣になってしまっていることは、それが本当に適切なことなのかどうかが分からなくなってしまう。
その「分からなくなってしまう」ことが怖いのです。
世の中に頼らざると得ない面は確かにあるのだけども、いかに世の中に頼らないで生きていけるか。
集団の中で頼られ、祭り上げられてインチキになる奴は多い。
そのような人たちに頼ってはいけない。
ここで中村さんから、客席に対して。
「何か皆さん側から聞いてみたい、質問したいことがあれば。」
Q:なぜ、多くの音楽関係者の方々も口を開かないのでしょうか。
A:
(友美さんより)
関係者の皆さんの理解はあるのですが、皆さんにも立場もあるので口を開けないのだと思います。
私自身が、この事件に関しても様々な裁判を抱えていますから、どうしても裁判沙汰になっていることは、(関係者の方が他者に話をしていいものなのか判断するのは)難しいですよね。
(渡邉さんより)
僕も時々、この事件の話になると「危ないからやめろ」と忠告を受けることがある。
何が危ないの?と個人的には思う。
この事件には見落としてはいけない「なぜ?」が沢山あるのに、なぜ報道しないのか。
が、今はマスコミも様々なリスクを避ける傾向がありますから、どうしても、世の中に広まらないという面もあるでしょうね。
(秋山さんより)
日本は「死」を伴う話題について、話に出さないという、暗黙の宗教のようなものがある。
その影響もあれば、話題に出せないと思う人が多いのではないか。
上記でトークイベントの内容は終了となりました。
今回のトークイベントでは、チケットの半券代わりに、このようなものを頂きました。
(両面にTAIJIさんの写真があります)
会場にはTAIJIさんのスタッフの方もいらしていました。
終演後に「秋山さんの霊視について、どう思いました?」と伺ったところ。
「納得できる部分はあります。
特に自由を求めていたということ、社会に対して問題意識が高かったことはその通り。
アーティスティックで繊細だったと指摘があったけど、霊視での表現以上に繊細すぎて、本当に傷つきやすい人でした。」
とのことでした。
そして最後に。
渡邉さんがTAIJIさんの命日近辺に、富士山の浅間神社に奉納をしてくる予定ということで、休憩時間時に配布しました、絵馬の裏にご来場頂いた方々にメッセージを書いて頂き、退場時に回収させて頂きました。
渡邉さんが絵馬をご提供くださいましたが、まだ絵馬に余裕があるとのこと。
このイベントにご来場出来なかった皆さま、それ以上に、事件への強い関心や、署名活動への理解の有無に関係なく、単純に、TAIJIさんが亡くなって悲しい気持ちになった方々。
TAIJIさんの死を悼んでいる全ての方々。
1人でも多くの方から、TAIJIさんへメッセージを届けられないかと思い、僭越ながらこちらで、絵馬を後日預かることになりました。
この絵馬をどのように活用していくか。
現時点で考えているのは、関係者どなたかの主催を待つのではなく、私たちファンが主催となって、TAIJIさんを偲ぶ会を、可能な限り大規模で行えないかと考えています。
私たちが後日お預かりする絵馬の奉納は今回のトークイベントで回収させていただいた絵馬のように、今年のTAIJIさんのご命日には間に合いませんが、来年のご命日には奉納を目指したいと思っています(富士登山になるため、夏にしか奉納には行かれないためです。 ご了承ください)。
【後日追記】TAIJIさんを偲ぶ会として「Rain Bringer」を立ち上げました。
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2016年は残念ながら大きな規模での開催は難しく、本当にミニマムな開催となりますが、TAIJIさんの音楽を共有し、後世に伝えて行くためにも、TAIJIさんのご逝去を偲ぶ気持ちを持ち続けるファンとしても、今年に拘らず、未来に向けて規模を徐々に大きくしていければと思っています。
規模の大小に関わらず、多くのファンの方々と、TAIJIさんの存在、音楽を共有していくことが一番の目的です。
ご興味をもたれた方は、ぜひ、企画などにもご参加下さい。
よろしくお願いいたします。
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