【読了】TAIJI-沢田泰司-

2011年、サイパンの地で亡くなった、元X、LOUDNESSなどのベーシスト、沢田泰司さん。


その内縁の妻の赤塚友美さんが、泰司さんの4回目のご命日にあたる2015年7月17日に「TAIJI-沢田泰司-」を出版されました。

予約をして、発売日に書店まで取りに行きました。


TAIJIさんの事件については、本当に納得できないことが多くて…。


友美さんが発起人となって開始した署名活動についてもすぐに署名を行い、2013年8月に有志で集まったチラシ配布活動にも参加させてもらいました。


その時の説明会についてのブログ記事がこちら


それ以降、自分が可能な範囲で署名活動など、積極的に応援させてもらっています。

というか、私にとっても泰司さんはとっても大事な人です。

だからこそ、応援しているのですけどね。


早速、本を読みました。

第1章 死亡事故について
第2章 泰司さんの闘病生活などについて
第3章 泰司さんの日常について

こちらが綴られていました。


何となく思ったこと。


泰司さんはやっぱり、絶対に自殺なんかじゃないな、ということ。


じゃあ、何だったの?


それが分からないからこそ、署名活動で「今からでも再検証をして欲しい」とお願いするしか、術はないと思っています。


なぜ自殺じゃないって思ったか。

それは、第2章を読んで、泰司さんの写真を見て感じました。


泰司さんには沢山の、様々なご病気があったそうです。

身体面、精神面、共に様々な病気が重複していた。


私自身、泰司さんほどではないけども、精神的な疾患にかかっていたこともある。

精神的な疾患は、薬なんかで治らないものだというのは、実体験があるから分かりますよ。

自分を丸ごと認めてくれる、誰かからの愛情や信頼。

これが言葉ではなく、様々な行動だったり、雰囲気だったり、何気ないことで、しっかり感じられる相手がいるかどうか。

そういう人が1人でもいれば、気持ちが温かくなり、穏やかになります。

依存的になっていた薬を「止めよう!」とも思え、実行に移せるようになります。

泰司さんにとって、友美さんが間違いなく、そういう存在だったのだろうな。

そう思えたんです。


そんな人が近くにいるのであれば。

死にたいと思う理由がないんですよ。


そして、今までも自傷行為だったりが伝え聞こえてきたけど…。

それも「病気の仕業だったのか」と知ることが出来た。

とても不安定な人だと思っていたけど、それも全部病気の仕業。

そしてその病気の仕業というのが防衛反応であるっていうことも、私自身の実体験からしても、良く分かる。

友美さんは芯が強い人だと思っていたし、とても愛情深い人だと思っていたけども、それはしっかり泰司さんに向き合っていたからであって、きっと、泰司さんととっても波長があったのだろうな、と。


友美さんが撮影した泰司さんの写真も沢山掲載されていました。

写真に写る表情は、カメラを向けた人に対する表情なんですよね。

とっても穏やかなものばかり。

東海林のり子さんと一緒に撮った写真の時の表情と似ているなー、と思いました。

泰司さんは、本当に友美さんに心を開いていたんだなって、そう感じました。


そんな人が近くにいるのに、自殺なんてする人、いない。


や、いるかもしれないけども、泰司さんがそういう選択をするとは思えない。

そして泰司さんのことだもの。

hideちゃんが突然亡くなっている以上、自殺では会いに行かれないなんて、百も承知だったことだと勝手に思っています。

「自殺だったのかもな」と思ったこともあったけど、本を読んで「絶対に違う」と思えました。


それなのに、何があったか、どんな事情か知らないけど。

責任を全部他人、特に友美さんに押し付けて、飛行機内の事故から何から何まで押し付けて逃げている人がいるのが許せない。


それとは別に。

なぜ、関係機関各署がこんなにも非協力的なのだろう…。

なぜ、最初から諦めムードなのだろう…。

そことずっと闘っている友美さんを想うと、やっぱり「強い人」だな、と…。

少し、本音の部分も書いてありましたけど、これからも精一杯バックアップさせて頂くことができて、少しでも友美さんの肩の荷が下りるといいな、と思います。


そして。

ご自身の経済的なことにも触れているのに、印税の使い方についても記載があって…。

「そうなんだ…」と。

すごいなって思いました。


そして。

泰司さんは友美さんに限らず、色んな人が大好きだったんだね。

人懐っこい笑顔だけじゃなく、本当に人懐っこい人だったんだな、と。

そういえば、過去のブログに、真剣に「老人ホームなどの慰問をしたい」って書いていたなぁって思い出しました。

争いも本当は大嫌いだっただろうな、って。

とにかく「理解」を求めていたというか、

自分への理解ではなくて「相互理解」。

それを求めていた人なんじゃないかなって。

「自分だけじゃなくて、 もっとみんな、周囲を信じていいんだよ!

 それが出来れば、絶対に楽しいんだよ!」

それが言いたかったんじゃないかな。

捉われない自由というか…。

「人は信じるもので、疑うものではない」という感覚というか。

それがなかなか得られなかったり、伝わらなかったりしたのが、「寂しがり屋」に思わせていた様子だったのかな…。


そして…。

私の完全な憶測ですけども…。

きっと、ご遺族と友美さんが表面的には対立しているように見える構図は、誰よりも泰司さんが心を痛めているように思いました。

でも。

決して敵対なんてしていないのだな、と、本の中からよく伝わってきました。

ご遺族も形見分けをして下さっている。

納骨式にも声をかけて下さっている。

ただ。

事件解明について、求める部分が違うだけなんだなって。

表向きの行動が違うと、しかも真逆だと、どうしても理解しにくくなります。

そこが、両者にとって一番辛いのかもしれない。


でも。

友美さんは本を通じて。

泰司さんがどれだけご家族を愛していて、大事に思っているのか。

それを伝えて下さったようにも思えました。


これも私の話で申し訳ないですが、私の家も親が離婚していたり、弟がいい年齢なのに引きこもりだったり、私自身も体調が不安定で、簡単な在宅ワークや知人の簡単なお手伝いはしているけど、通常の週5日8時間勤務は難しくて、基本的に自宅静養中で、その原因も特定できない状態。

その間に…、正確には、それよりもう少し前からだけど、カウンセリングを活用することになったことで、自分の生い立ちや家族に対しての疑問だったり、不信感、不満を自覚したと同時に、強い愛情があって、誰よりも信頼している自覚も出来た。

自分の中に相反する気持ちが同居することはごくごく自然なことだと思っているし、家族同士でも「理解し合えないことが沢山ある」ことも、家族同士だからこそ「傷つけ合いやすい」ことも、実体験で沢山感じてきたので…。


泰司さんもきっと、ご実家のご家族のことも無条件に大好きで、愛しているのだと思います。

疎遠だったのも、傷つけ合いたくなかったから、傷つけたくなかったから、かもしれないですものね。

疎遠になるのも愛情の1つになる家族があっても、何の疑問もないです、少なくとも私は。


事件のことだったり、内容の詳細は、ご自身がお手にとって確かめて頂きたい本です。

とっても愛情に溢れている本だと感じました。


4年目のご命日。

ツイッターでの泰司さんの追悼コメントを沢山見ました。

見ながら泣きそうになっていたけども。

この本のおかげで、沢山の「温かさ」を頂けました。

泰司さん、友美さん。

本当にありがとうございました(^^)


ツイッターで見た、TAIJIさんへの追悼コメントの「まとめ」です↓

I Love Rock'n Roll

DIR EN GREYを中心に、沢田泰司さん、聖飢魔II、洋楽も含めて中学生の頃から大好きなハードロック/ヘヴィメタルについて、備忘録的なライブレポートやCDレビューなど、大好きな音楽に関係する話をしています。